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SAS: 効率的なストレージの新しいパラダイム
A Joint Technology Paper by: Seagate Technology and nStor Corporation
www.seagate.com www.nstor.com

2005/04
iconSASの紹介
icon性能
iconSAS/SATAドライブサポート
icon拡張性
iconSAS/SCSI の統合
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SASの紹介
"効率化"と言う言葉は、性能とコストを最適に組み合わせることによる効果として、今日のビジネスの世界で良く使われます。これは、ある種、微妙なバランスと言えます。則ち、不必要なパワーと、高額なソリューションに投資するということは浪費ですが、一方で、安価で不十分なパワーのソリューションを導入することはシステム性能 を劣化させ、生産性に甚大な影響を及ぼします。このどちらの場合でも、結果的には大きな損失をもたらします。
こうしたことから、より高性能で経済性に優れ、柔軟なストレージソリューションに対する欲求はますます増大するばかりですが、Serial Attached SCSI (SAS)の出現でようやくこのことに対する解答が出せることになりました。
SASはパラレルSCSIで実証済みの信頼性のあるコマンドセットをそのまま採用しつつ、一方で、比類ない3.0ギ ガ・ビット/秒の転送速度と、今までにない拡張性を実現しました。しかし、SASの持つ最も強力な機能はSerial ATA (SATA)インタフェースと互換性を有することかもしれません。このことは、初めて、ストレージを使用す るアプリケーションにとって最適で、コスト効率のよいディスクドライブを選択することができる自由を得る事ができたということです。
現在、実力のあるITマネージャーは各々のニーズに応じて最適化されたストレージソリューションを採用しています。則ち、SASドライブは、トランザクションン、性能、信頼性が重要なミッションクリティカルな使用環境で明らかに最良の選択です。一方、SATAドライブは、Disk to Disk のバクアップといった大容量を必要とするアップリケーションにとってはコスト効果の高いドライブです。SASとSATAディスクは同一のバックプレインに混在することができ、同一筐体に収納することができます。一台のSASベースのストレージシステムは広いビジネスの多様性に対し、フルレンジでのストレージの役割を果すことができます。

性能
Serial Attached SCSIは3.0Gb/秒の転送レート(将来、12.0Gbit/秒までのロードマップが定義されています。)と、フルデュープレックス(全二重伝送)、Point to Point のアーキテクチャーにより、現在のストレージインタフェースとしての最高性能を確保し、将来に渡ってもその性能の優位性を維持することが可能と運命付けられました。フルデュープレックスでのオペレーションは両方向に同時に信号転送を行い、同時点で双方向6.0Gbのデータ転送を保証します。また、SASインタフェースの持つデュアルデータポートは一つのSASコントローラに障害が発生した場合でも他のポートが交替のコントローラとコミュニケーションを止めることなく維持し続ける高い可用性と高いアップタイムを可能にします。
SASの Point to Point でのデバイス間接続は、専用の信号パスをそれぞれのディバイス毎に提供することにより、転送の競合がなくバンド帯域を最大限に利用することが可能です。また、パラレルSCSIでのデージーチェーン接続によるIDコンフリクトとターミネーション問題の終焉を意味します。
一方、中小のストレージシステムで採用され、高速で、信頼性の高いスループットを実現しているSCSIのコマンドセットをそのまま採用していることにより、SASの性能はさらに向上しています。

SAS/SATAドライブサポート
与えられたタスクに最適なディスクドライブを選択することができる自由はストレージの有効性とコスト効果を最大限にする為の基本です。現在まで、ITマネージャーはこの点においては僅かの選択枝しかありませんでした。SASで使用されるケーブル/コネクタ、バックプレーン、エキスパンダー、そして、ホストバスアダプタ(HBA)はSATAと完全に互換性を持つことにより、1台のSASベースのストレージで、オンラインとニアラインアプリケーションをサポートすることを可能にしました。高性能15,000rpmのSASドライブはデータ転送、高可用性の為に使用し、7200rpmのSATAドライブはデータアーカイブとして使用することができ、両方のドライブタイプはシームレスにSAS筐体を共有することができます。更に、SASのプラットフォームを標準的に使用することで、アプリケーションに合わせて個別に用意していたストレージを1台のSASストレージシステムで賄うことが可能になり、IDCにおける大きなハードウエアリソースのセーブにつなげることができます。

拡張性
中小システムにおけるデータボリュームは常に増大し続けています。有効で長期間使用することができるストレージシステムは、シンプルで、コスト効果の高い拡張性を必要としています。従来のパラレルSCISでは拡張性に関しては多くを得ることはできませんでした。そこで、SASにおける重要なゴールはドライブを追加することで容量とスループットを増加させることを可能にすることでした。
SASの Point to Point アーキテクチャーに関して、エキスパンダーと呼ばれるスイッチディバイスを採用し、多くのドライブの集合化を可能にしました。このスイッチディバイスは一つのSAS領域に16,384個のディバイス(最大、エキスパンダー当たり128個のSASディバイス、外部エキスパンダー当たり128個のエッジエキスパンダ)を、性能を維持しながら接続することを可能にしました。
更に、SAS(及びSATA)で採用されたコンパクトなケーブリングとコネクタ仕様により、筐体内部の貴重な空間の占有量を少なくし、エアーフローや冷却性能を向上することができ、ドライブのインストール、リムーブを簡単ししました。ホットプラグ仕様により、ドライブはシステムをシャットダウンすることなく活線挿跋が可能ですので、システムの可用性を最大にすることができます。

SAS/SCSI の統合
Serial Attached SCSIはシリアル変調技術を採用することで、パラレルSCSIインタフェースにおいて存在した多くの制限を克服した一方、現在のSCSIコマンドに於ける信頼性はそのまま維持しています。SCSIの洗練されたコマンドセットはデータの完全性を確保する機能としてのCyclic Redundncy Check(CRC)といった高度な機能を備えています。
更に、SCSIコマンドは多様なストレージマネージメント、アプリケーションソフトウエアとのインタフェースを持っています。このSCSIコマンドセットと関連して、SASはSCSIソフトウエア、ミドルウエア、ドライバといったソフトウエア等の企業資産を無駄にしません。
加えて、IT予算はますます厳しくなり、合理化や、ストレージシステムの集合化等のプレッシャーは、SASが登場するまではなかなか目覚ましい解消することはできませんでした。SASはこの目標を実現し、性能とSATAとの互換性、拡張性、及び、SCSIコマンドの完全性を一つにし、新しいクラスの性能、高効率のストレージソリューションを可能にしました。

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