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ファイバチャネル (FC)って何?

2007/04/12

アイコンファイバチャネル (FC)=Fast, Scalable, Error Free
アイコンファイバチャネルのケーブル仕様
アイコンアービトレーティッドループ(Arbitrated Loop)
アイコンファイバチャネルの特長
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ファイバチャネル (FC)=Fast, Scalable, Error Free

ファイバチャネルとはANSIで決められた周辺機器用のデータ転送のプロトコルのことで、特に、従来のSCSIインタフェースのようなデータ並列の転送ではなく、オプティカルケーブルや銅線ケーブルを使用した、高速で長距離の転送を保証するシリアルインタフェースです。現在、一般的な ファイバチャネルのバンド幅(転送レート)は約4Gbit/秒(実効データレート約400MB/秒)ですが、間もなく8Gbitにバンド幅が一般化する様相です。
ファイバチャネルは、それまで比較的大型なコンピュータのチャネルインタフェース仕様だったIPIから1988年に派生し、新たな高速シリアルバスインタフェースとして確立されました。このファイバチャネル仕様は、周辺機器のプロトコルとしてエラーフリーなデータ転送の高速化を実現し、また、従来周辺装置とホストが一対一で接続されていたのを、ネットワークの様に複数のホストと複数の周辺機器がお互いに交信できるようにしました。従って、 ファイバチャネルのプロトコルにはこの高速なIOチャネルという概念と、ネットワークという概念が結合しています。実際に、ファイバチャネルのチャネルプロトコルとしては先に述べたIPI-3の他、PCやワークステーションで一般的なSCSI、その他の高速パラレルインタフェースやシリアルインタフェースのコマンドやデータを一つのフレームと呼ばれるカプセルの中に収納して運びます。また、ネットワークのサポートとしては同じカプセリングのプロトコルとして IP をサポートするようになっています。


ファイバチャネルのケーブル仕様としては、オプティカルファイバケーブル・銅線同軸ケーブルまたはツイストペアーケーブルがあります。前者は最大10Kmまで遠距離にデータ転送が可能です。また、銅線を使用すると75mまでケーブル長を延長できます。ここで余談ですが、ファイバチャネルの "Fibre" が、ファイバー (Fiber) と同じ様に考えられ、 FDDIの様に高額で手の出しづらい仕様と間違えられないようにわざわざ"r"と"e"を入れ替えられました。ファイバチャネル は電話線と同じ様に上り線と下り線の2本からなります。それぞれファイバチャネルに接続されるPCや記憶装置はノードとよばれ、一つのノードに接続されるファイバチャネルの上り線の受け口のことをレシーバ、下り線の受け口のことをトランスミッタといいます。
またファイバチャネルにはお互いの機器を接続する方法として、一対一のPoint-to-Pointという接続方法と、複数の機器をループ状に接続するアービトレーションループと呼ばれる接続方法、また、ループを組み合わせてあたかもインターネットのような網(Fabric)にする接続方法があり、Storage Area Networkと呼ばれる大規模なシステムを構成することができます。ここでは、これらの詳しい説明は省略いたしますが、アービトレーションループに関し多少説明いたします。

アービトレーティッドループ(Arbitrated Loop)は2台以上の機器をファイバチャネルで接続する場合のネットワークです。下図をご参照ください。ループと言うぐらいですので、このネットワークは輪の様になっています。その輪に最大で126台までのホストや記憶装置などの周辺機器といったノードを接続することができます。また、その1ノードをスイッチと呼ばれるループとループを切り替える機器にすることにより他のALとの切れ目のない接続をすることが可能になります。
この様に大規模になった構成はSAN (Storage Area Network)と言われています。また、FCの機器には上り、下りポートの対が2組あります。つまり二重のループを作り出すことができ、二つのループで同時に最大で800MBの転送が可能です。また、ループ内のノードに対してアドレスを随時更新することができます。これをループイニシャライゼイションといいます。上り線と下り線にPort By Passing Circuitsと呼ばれるバイパス回路を取り付けることにより、ループ内においてディバイスの接続、切り離しを他のディバイスの稼働中にも容易に行うことができます。通常、このバイパス回路を持つFC用の機器はハブと呼ばれます。ハブを設置することで、ネットワークをスター型の放射状の構成にすることができます。


ファイバチャネルの特長
1. シリアルケーブルなので設置が容易。
2. 数メータ単位しか取れないSCSIやSAAのケーブル長がFCでは数10メータまたは数キロメータという距離での設置が可能で、かつ、126ノード(機器)またはそれ以上のノードを追加することができるスケーラブルな仕様。
3. 非同期モードでの割り込み制御がされている為、データのクラッシュなどの危険性が無い。
これらの特長を持つファイバチャネル は、今後更にオーディオ/ビデオ編集、製版印刷などのミッションクリティカルなワークグループや、医療、インターネットでのコンテンツ共有などのストレージ用プロトコルとして広く使われて行きます。

アービトレーティッドループ

 

 

 

 


 

 

【関連リンク】
【用語】ファイバチャネルとは
【用語】FC-AL接続とは
【用語】ファブリック接続とは
【用語】Point-to-Point接続とは

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